• 0
  • MUYA SHOP

    tomorka/ kawamoto

    「何かを主張するものというよりは、ちゃんとそこにあるもの。」

    tomorka/ kawamoto kohei

    interview & photo MUYA

    ーこんにちは。
    ちょくちょく会ってますが、本日はよろしくお願いします。

    T)こんにちは。いつもありがとうございます。こちらこそよろしくお願いいたします。

    ー改めて自己紹介おねがいします。

    T)和歌山県田辺市で靴と革のものを製作しています、tomorkaの川本康平と申します。

     

    ー靴と革のものはいつ頃から?

    T)学生の頃から靴が作りたくて、高校を卒業して靴の学校に入学しました。革のものは革を扱う中で自分の身の回りのものを革で作るところから始まりました。

    ーどこかの取材エピソードで見たんやけど、たしかけがをして靴が合わなくなったときにお母さんから言われた
    「自分で作ったらいいんじゃない?」みたいなんがきっかけ?

    T)そうです。14歳の時母親に「そんなに靴で悩むんやったら将来自分で作る人になったら?」と言われて、何故かそれを真に受けて靴を作りたい!となりました。笑

    ーそこから、のめり込む感じで?

    T)初めは履かなくなった靴をばらしたり、本で勉強したりしていました。
    それで高校生の時、通学路にシューフィッターの方のお店があって、下校途中に立ち寄ってお話を聞かせていただくうちに、靴はまず足が大事なんやなと思って、
    足のトラブルに対して医療目的で靴を作る整形靴という分野の学科がある専門学校に入学しました。

    ーその後は?

    T)靴修理会社、靴メーカーで働かせていただいたあと、24歳の時にtomorkaという名前で、初めは兵庫県高砂市の実家で靴を作ってたまに個展をしたりしていました。
    25歳の時神戸市に移り住んで、革屋さんのお手伝いをしながら靴を作っていました。

     

    ーtomorkaの名前の由来はなんですか?

    T)ずっと探し求められるものづくりというのが頭にあって、それって自分自身やなと思い、背中合わせの自分、自分だけど自分じゃないようなものといったイメージで、苗字を後ろから少しもじった名前を付けました。

    ー名前なん、初めて知りました。
    ということは、自分が興味が出てくるものがあったら革以外も(製作していくこともある?)

    T)したいです。与えられた事ときちんと向き合いながら、形に捉われず自分が楽しめる事を出来ればと思います。

     

    ー兵庫県出身やけど、和歌山県に来たのは何歳の時?

    T)27歳の時、和歌山に移住しました。

    ー和歌山県でも田舎の龍神村を選んだのは?

    T)子どもの頃、大きな休みは祖父母が暮らす和歌山県田辺市で過ごしていたのですが、その頃の記憶からふと暮らしてみたいと思ったからです。

    ー祖父母はまだ龍神に?

    T)祖父母の家は大塔という土地で、今も90歳の祖父が一人で暮らしています。今朝も会いに行ったら元気そうでした。
    龍神はそこから更に山へ入った所で、今まで訪れた事はなかったのですが、ご紹介いただいた空き家がものを作りながら暮らすのにちょうど良い広さで、ここで作ってみたいと思ったので決めました。

    ー実際暮らしてどうでしたか?

    T)何か土地に呼ばれるような心持ちで移り住んだので、せっかくだから余計な欲は持たず、今自分のやるべき事ときちんと向き合おうと思うようになりました。

     

    ーうちのお店に来てくれたのは、
    いとこのおばちゃんに聞いて?

    T)そうです。和歌山に移住して2、3ヶ月の頃、母親のいとこにあたるおばさんが和歌山でものづくりするんだったらと、当時富田にあったMUYAさんのお店に連れて行ってくださったのが初めてです。

    ー暮らしと生活ていう部分では、僕も2014年から独立してモノづくりを始めたけど、
    最初の2,3年は全然ご飯食べれてなかったんやけど、その辺の不安はなかったんかな?

    T)最初の方は、ものづくりだけでは生活出来なかったので不安もあったと思うのですが、とにかく作るのが楽しくて、先の事などはあまり考えていませんでした。
    ただ、ある時北野武の「キッズ・リターン」を観て、主人公二人と同級生の漫才コンビの在り方を見た時に、
    今自分が楽しくてやっている事をずっと続ける為に、与えられた事や今やるべき事を一つ一つきちんとやろうと思いました。今もそれは変わらないです。

    ーわかります。よく見ると漫才の設定が高校の時やってたときと一緒なのよね。
    全然ウケてないときと。
    でも日々の積み重ねで少しずつ変化して、中身や質が変わって、
    最後お客さんがいっぱいになるていう、、、

    T)いやもう、まさにそれです。
    ちょっと、観たくなったのでもう一回観ます。

    ー神戸にいた時と現在(田舎に暮らしてみて)では製作したい(する)ものに変化はありましたか?

    T)暮らしと向き合うのが移住のテーマだったので、製作するものも暮らしや日常に寄り添う事に重きを置いたものへ変化していったように思います。

    ー結婚したのも大きい?

    T)今まで自分がやってきた事を真っ直ぐ信じて仕事に挑む妻の姿を見ていると、 日々目の前の事ときちんと向き合おうという思いになります。

    ーちょっと目頭熱くなるやつですね

    T)すぐなります笑

     

    ー今回、うちの妻がフォーマルでもカジュアルでも使えるような靴が欲しいてことからオリジナルシューズを作ることになったんですが、最初はスリッポンタイプでお願いさせていただいたんですが、

    T)とにかくいただいたイメージや思いを、よりシンプルに形にしていくという事だけを考えていました。
    何よりお二人がどのようにものづくりをされているのかが垣間見えて、それに触れる事が出来てよかったです。

    ー結局のところ最初のすごいシンプルなのからタッセル(飾り)付けたり、なんやかんやで1年以上かかってしまって申し訳なかったです。笑

    T)こちらこそ、製作に時間がかかってしまい申し訳ございませんでした。

    ー具体的なところでは、素材は?

    T)アッパー、ソール、芯材に天然鞣しの革を使用しています。
    履くほどに足の形状や動きに革が馴染んでいく事で、足全体を靴が包み込むような履き心地へ変化します。

    ー豚革てあんまり聞いたことないけど、意外と使ってるんかな?

    T)靴の場合、裏革(靴の内側)に使われる事が多いです。
    牛革もよく使われますが、豚革は足あたりが柔らかく通気性が良いので採用しています。

     

    ー形については、すっきりとしたシルエットに見えるけど。

    T)今回お話しさせていただきながら、様々な場面で履けるよう、 程よくゆとりのある履き心地と仰っていただいた通りすっきりとしたシルエットのものを選びました。
    靴のベースとなる木型は、様々な形がある中で、流行りや価値観の変化に左右されないものをイメージして選んでいます。
    大袈裟かもしれませんが、どんな時代の中にいても、ちゃんと自分自身と向き合えるものを履いていただきたいという思いがあります。

    ーハンドメイドの靴の良さてなんですか?

    T)すみません、ずっと考えているのですが、ちゃんと言葉に出来るものが出てこなくて、申し訳ございません。

    ーその答えいいですね。大切にしていることはありますか?

    T)素材、パターン、縫製、成型など全てにおいて、履くほどに足に馴染むものに重きを置いて製作しています。
    後はムードを大切にしています。
    何かを主張するものというよりは、ちゃんとそこにあるもの。

    ーちゃんとそこにあるもの。共感します。
    僕も昔、展示会のカタログに似たようなこと書いたことがあって、
    中華料理屋の白ごはんて題名で笑
    「焼き飯やラーメンや餃子のような人気のある食べ物ではなく、そこにある中華料理の何かになるのではなく、それらには属してはないが、必ずそこにあるものでいること。MUYAの商品は特徴もなく平凡な商品です。
    なにかに属したり、なにかになろうとするのではなく、他のなにものでもないがそこにあるもの」
    そんなこと書いたように思います。

    T)中華料理屋の白ごはん笑 すごく身近でぐっときます。いいお話聞けました。

    ー最終的にはとても満足できるものが良かったです。

    T)ありがとうございます。恐縮です。

    ーまたこれからもいろいろと相談させていただきます。
    和歌山でがんばりましょう!

    T)こちらこそこれからもまだまだお世話になります。 よろしくお願いいたします!